ビル管理士資格試験用の「メモ6」は、「清掃」編です。
出題数は25問(全180問)。
足きりの40%は10問です。
「清掃」編への対策
馴染みのない分野ですが、理解に苦しむことはないはず。
こちらも過去問利用で効率よく対策です。
「ビル管理士要点まとめ」へのリンクを貼っておきます。
管理基準
建築物環境衛生管理基準
- 掃除を日常的に行う
- 大掃除を6ヶ月以内ごとに1回、定期的に統一的に行う
建築物環境衛生維持管理要領
資材保管庫の点検 :6ヵ月以内ごとに1回
廃棄物処理設備の点検 :6ヵ月以内ごとに1回
空気調和設備等の維持管理および清掃等に係る技術上の基準
床面の清掃
日常除じん作業のほか、床維持剤の塗布の状況を確認し、必要に応じ再塗布等を行う。
カーペット類の清掃
- 日常除じん作業のほか、汚れ状況を点検し、必要に応じシャンプークリーニング、しみ抜き等を行う
- 洗剤分がカーペット類に残留しないようにする
日常的に清掃を行わない箇所の清掃
- 6ヵ月以内ごとに1回 :点検 必要に応じ洗浄等を行う
- 外装の清掃は含まれない
作業計画書と安全衛生
作業計画書
- 清掃作業基準表 :清掃内容の詳細を示した図表
- 作業手順書 :作業名、作業項目、作業手順、使用資機材と数量、注意事項、品質状態
- 作業標準時間 :標準的な掃除従事者の作業時間
- 資機材倉庫 :大規模な建築物の場合は、必要に応じ分散させる
安全衛生
- 清掃作業の事故は、転等や転落が大多数
- ローリングタワー :移動式足場
- 脚立 :踏み面は適切な面積を有していること
日常清掃と定期清掃
- フロアマットの除じん :日常清掃
- フロアマットの洗浄 :定期清掃
- 換気口の除じん :定期清掃
- 外周区域の洗浄 :定期清掃
- エレベータ内の除じん :日常清掃
- エスカレータパネル内の洗剤拭き :定期清掃
- 壁面スイッチ回りの洗剤拭き :定期清掃
- 管理用区域 :日常清掃
品質評価
- きれいさの評価 :基本的に目視で行う
- 評価範囲 :汚染度の高い箇所に重点を置く
- 評価のフィードバック :管理者→清掃責任者→清掃従事者
- 組織品質 :事業者管理品質と現場管理品質
予防接種
- 疎水性の建材 :油溶性物質が付着しやすい
- 親水性の建材 :水溶性物質が付着しやすい
- 平滑綿密な面は、汚れが付着しにくい
- 建材に洗剤分が残っていると、汚れが付着しやすい
- 気密性の高い現代建築のほこりの侵入経路 :出入り口が重要視される
- エアカーテン :ほこりの侵入防止
- 汚れの量と付着力の比較 :自然的な汚れ < 人為的な汚れ
- 建材の改良は、汚れ防止に効果がある
ほこりや汚れの除去
ほこりや汚れの除去
- ほこりは放置すると、経時変化し、除去しにくくなる
- かさ高固着物 :物理的な力で除去
- プラスティック製品上のほこり :静電気により除去
ダストコントロール法
- 粘度の低い不乾性の鉱油を含ませた布を使用
- ほこり以外は除去されない
- 油剤処理されたダストモップは、油汚れの除去に適していない
ダストクロス法
- 化学繊維の不しきふの静電気を利用
- 繊維のすき間で土砂を回収
- 油剤処理していないので、ダストコントロール法より、油分の弊害が少ない
建材・床材
建材
- アルミ :耐アルカリ性に乏しい
- 大理石、テラゾ :耐酸性に乏しい
- 花崗岩 :耐酸性に富むが、耐熱性に乏しい
床材
- リノリウム :耐アルカリ性に乏しい
- ゴムタイル :耐磨耗性に富むが、耐溶剤性、耐アルカリ性に乏しい
- 塩化ビニルタイル:耐薬品性、耐洗剤性、耐水性に富む
- 塩化ビニルタイルピュア系:床維持剤の密着性に何がある
カーペット材
- ポリプロピレン :復元性に乏しい
- ポリエステル :含水率が低く、親水性の汚れがとりやすい
- アクリル :含水率が低く、染色されにくい
- ナイロン :耐久性に富む
洗剤
- 合成洗剤 :化学的に合成された界面活性剤。硬水中での洗浄力が低下しない
- 表面洗剤 :床維持剤を痛めないよう中性またはアルカリ性で泡立ちが少ない
- 酸性洗剤 :尿石や水垢の除去
- 一般洗剤 :弱アルカリ性
- 界面活性剤の分離:陰イオン系、陽イオン系、両性系、非イオン系
- 助剤 :界面活性剤の表面張力を低下させ、洗浄力を向上させる。リン酸塩は使用されていない。
- 洗剤の濃度と洗浄効果は比例しない。
床維持剤
- フロアフィニッシュ :フロアポリッシュ、フロアシーラ、フロアオイルに大別。床用塗料を含有していない。
- フロアシーラ :物理的、化学的方法により容易に除去できない
- フロアオイル :表面加工されていない木質床用にいられる
- フロアポリッシュ :ワックスタイプとポリマタイプがある。水性ポリマタイプが多用されている。シールされていない木質床材には、油性ポリッシュ(油性ワックス)を用いる。
剥離材
- アルカリ性で、樹脂床維持剤の皮膜を溶解する
- 低級アミンを主剤とし、界面活性剤が添加されている
- 塩化ビニル系床材に、変色等の影響を及ぼさない
- ゴム系、リノリウムに変色などの影響を及ぼす
- フロアシーラを容易に除去できない
- すすぎを十分に行うか(1回では不足)、リンスで中和する
床みがき機・カーペット洗浄用機械
床磨き機
凹凸のある床面には、パッドではなく、ブラシを使用
1ブラシ式
ブラシの直径は、20~50cm、交流電源、毎分150~300回転が一般的
床みがき機の床用パッド
- 黒・茶 :剥離作業
- 緑・青 :洗浄作業
- 赤・白 :みがき作業
超高速床磨き機
- 毎分1,000~3,000回転
- カーペット用シャンプークリーニングに用いられない
カーペット用洗浄機器
スクラバ方式
- 洗剤供給式床みがき機のブラシにより、洗剤がカーペットに擦りつけられて発泡
- 化学繊維のタフテッドカーペットに適す
噴射吸引式(エクストラクタ)
洗剤液を噴射して直ちに吸引
ローラブラシ方式
洗剤が機械内部で発泡して、床に供給される。
洗浄力の比較
ローラブラシ方式 < スクラバ方式
残留水分量の比較
スチール洗浄機 < 噴射吸引式(エクストラクタ)
真空掃除機
- 機械内部に空気の低圧域を作り、ほこりを吸引
- 自動床洗浄機 :洗剤供給式床みがき機 + 給水式真空掃除機
床移動型のドライ式
コード式が主流
床移動式のウェット式
- 吸引した汚水は、機内の汚水タンクにとどまる
- 排気はモーター内部に回らない
アップライト型
- 回転ブラシで掃きながら、カーペットパイル内のほこりを吸引
- フィルタバッグが大きい
- 吸い込み風量が多い
- かさ高固着物は除去できない
ドライメンテナンス法
ウェットメンテナンス法との比較
- 部分補修がしやすい
- 使用資機材が少ない
- 安全性が高い
- 熱影響に注意が必要
ドアイバフ法
スプレー液を使用せず、研磨剤を含まない白パッドにて高速で磨く。
スプレーバフ法
スプレー液を使用して、表面の細かな傷と軽度の汚れを赤パッドでみがき、除去する。
スプレークリーニング法
- フロアポリッシュ被膜内の汚れを、フロアポリッシュ被膜とともに削り取る
- 仕上げにフロアポリッシュを塗布する
カーペット床清掃
前面クリーニング
- パイル奥の汚れの除去
- ローラブラシ方式、エクストラクション方式、シャンプークリーニング方式
スポットクリーニング
- パイル上部の汚れの除去
- パウダー方式、ふき取り方式、エクストラクション方式
パイル内のほこりの除去
アップライト型真空掃除機
パイル表面のほこりの除去
カーペットスイーパ
外装・窓ガラス清掃
外装清掃
- 磁器タイルは、汚れが目立たない
- 金属材の汚れは、軽微なうちにスポンジやウエスでふき取る
- 金属材の清掃回数 :1年に1回。臨海工業地帯は、1年に4~6回。
- 光触媒酸化チタンコーティングは、清掃回数を減らす効果が期待されている
窓ガラス清掃
- 窓ガラスの清掃回数 :1~2ヶ月に1回。臨海工業地帯は1ヶ月に1回程度
- スクイジー法 :ガラス面に水を塗布し、窓用スクイジーでかき取る
- 自動窓拭き設備 :水または洗剤を塗布して、ブラシ洗いし、スクイジーでかき取る。仕上がりは人の作業に劣る。天候に左右されない。効率が良い。
- ガラスに張ったフィルム面は、研磨剤入り洗剤で洗浄しない
その他の清掃作業
トイレ
- トイレを全面的に使用禁止にするような措置をとらない
- 小便器内側の汚れは、尿石や鉄分を含んだ水垢である
- 便器の清掃用具とその他の清掃用具は区別する
エレベータ
- 人により床面が磨耗しやすい。、土砂が持ち込まれやすい。
- 気流により、ほこりが付着しやすい
- インジケータや扉の汚れは、人の手垢で非水溶性である
その他
- 夏は汗ばみ、手垢がつきやすい
- 冬は乾燥し、ほこりが目立つ
- ほこりの付着量の比較 :廊下の壁面 < 階段の壁面
- 机の上のほこりは、よく絞ったタオルで拭き取る
- 吹き出し口の清掃は、真空掃除機と拭き取りを併用する
- 手指の接触による汚れは、から拭きでは落ちないので、洗剤等を使用する
- 金属に保護膜を塗布すると、汚れが付着しにくく、落としやすい
- クリアラッカは、半年後くらいから黄変する
廃棄物統計
- 一般廃棄物の1人1日の排出量 :947g(H26年)
- 生活系と事業系の一般廃棄物 :生活系の方が多い
- 産業廃棄物の種類 :汚泥が最も多い
- 産業廃棄物の多い業種
- 電気・ガス・熱供給・水道業
- 農業・林業
- 建設業
- 鉄鋼業
- パルプ・紙・紙加工品製造業
廃棄物の特徴・用語
- 事業所建築物の廃棄物 :紙類の比率が高い
- 百貨店の廃棄物 :紙類の比率が高い
- ホテルの廃棄物 :紙類とちゅう芥の比率が高い
- 産業廃棄物の原単位 :時間当たりの発生量で表す
- マテリアルリサイクル :再生利用
- サーマルリサイクル :熱利用
- コンポスト :堆肥化
廃棄物処理法
産業物処理法の目的
廃棄物の排出を抑制し、および廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全および公衆衛生の向上を図ること。
廃棄物の定義
- 廃棄物 :ごみ、汚泥、その他の汚物または不要物で、固形または液状のもの(放射性物質で汚染されたものを除く)
- 産業廃棄物 :事業活動に伴って生じた廃棄物
- 一般廃棄物 :産業廃棄物以外の廃棄物
- 産業廃棄物の処理:排出者責任が原則
廃棄物処理の委託
- 一般廃棄物 :市町村長の許可を受けた業者へ委託
- 産業廃棄物 :都道府県知事の許可を受けた業者へ委託
紙くず、木くず、繊維くず、生ゴミ
- 特定の業種(建設業、製造業など)の場合は、産業廃棄物
- 特定の業種以外の場合は、一般廃棄物(事業系一般廃棄物)
廃棄物処理法に関するその他の事
- し尿を含まない汚泥 :産業廃棄物
- し尿を含む汚泥 :一般廃棄物
- グリース阻集器の油分:産業廃棄物
- 再生利用の目的となる廃棄物 :古紙、くず鉄、空き瓶類、古繊維
産業廃棄物管理表 (マニフェスト)
マニフェストの保存
区分 | 保存するマニフェスト伝票 |
排出事業者 | A 票 B2票 D 票 E票 |
収集運搬業者 | B1 票 C2票 |
中間処理業者(処分受託者) | C1票 |
中間処理業者(処分委託者) | A票 B2 票 D 票 E票 |
最終処分者 | C1票 |
排出事業者の処分状況の確認
- D票 :依頼後90日を経過しても返却されない場合
- E票 :依頼後180日を経過しても返却されない場合
関連法規
- 循環型社会形成推進基本法 :循環的な利用とは、再利用、再生利用および熱回収をいう
- 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律 :(食品リサイクル法)
- 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律:(容器包装リサイクル法)
- 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法) :エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機
- 使用済み小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律:(小型家電リサイクル法)
- 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律 :(バーゼル法)
収集・運搬
収集運搬用具
- 吸殻 :蓋つきの金属製容器
- 紙くず:キャンパス製コレクタ
- ちゅう芥:ふた付きのポリバケツ、ステンレス製のコレクタ
縦搬送方式
- エレベータ方式 :人手でエレベータに積載
- ダストシュート方式:廃棄物がシュート内を落下
- 自動縦運送方式 :分別梱包された廃棄物を搬送
中間処理・保管
廃棄物の種類と処理方法
廃棄物 | 処理方法 |
OA用紙、再生紙 | 圧縮、切断、梱包 |
段ボール、新聞紙、雑誌 | 梱包 |
廃棄紙類 | 圧縮、 梱包 |
ビン類 | 粉砕 |
プラスチック類 | 圧縮 梱包、粉砕、溶融固化 |
ちゅう芥 | 冷蔵、粉砕、脱水、乾燥、堆肥化(コンポスト) |
保管場所
- 専用室、密閉構造、防虫、防鼠とし、出入り口には自動ドアを設ける
- 床に勾配を設け、通路に段差を設けない
- 第1種または第3種換気設備を設け、室内を負圧にする
- 給水栓には、バキュームブレーカなどの逆流防止装置を設ける
貯留・運搬方式の比較
方式 | 容器方式 | 貯留排出機方式 | コンパクトコンテナ方式 | 真空収集方式 |
貯留 | 容器内 | 貯留排出機内 | コンテナ内 | 貯留排出機内 |
排出 | 人力 | 機械力 | 機械力 | 機械力 |
初期コスト | ◎ | ○ | △ | × |
衛生性 | △ | ○ | ◎ | ◎ |
防災性 | △ | ◎ | ◎ | △ |
作業性 | × | ○ | ◎ | ◎ |
用途 | 小規模 | 中規模 | 大規模 | 広域大規模 |
このページのまとめ
- 25問もあるので、ある程度の点数が欲しい
- 清掃に関しては何も知らないので、丸暗記するしかないかも
- そして、問題集・・・問題集・・・
読了、ありがとうございました
また、どこかで・・・