ビルメンになるために「濾過器」の知識等いらない
しかし、ビルメンになった瞬間には、「ろ過器や軟水器」の知識は必要になってくるかも?
そして、「逆浸透膜」についても知っておいたほうがいい
軟水器は塩で再生する
ボイラーに軟水を使用する理由は?
硬水にはマグネシウムやカルシウムが含まれています。
それが加熱され、蒸発することによってスケールと呼ばれるマグネシウム、カルシウムの結晶(いわゆる水垢)がボイラー内部に付着し、熱伝導の効率を低下させるからです。
また、軟水を使用することでボイラーの寿命の長期化につながります。
ゆえに、ボイラーには軟水装置がつきものです。
軟水器の中身はイオン交換樹脂
イオン交換樹脂とは、水に含まれているイオンを掴み、代わりに元々自分が持っているイオンを離すことで、イオン交換を行う樹脂です。
軟水器は陽イオン交換樹脂(業界では「カチオン樹脂」と呼ばれることが多い)のみで構成され、その働きで通過する水の中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどを自身が持つナトリウムイオンに置き換える。
置き換えが終わるとその働きは失われるが、ここに食塩水(塩化ナトリウム)を流してこれらを元のナトリウムイオンに置換し直すことで、繰り返し使うことができる。この作業を再生(さいせい)と呼ぶ。
再生の際には濃厚な塩化カルシウムや塩化マグネシウムなどを含んだ水が排出されるが、これらは元の食塩も含めて海水の主成分であるので、直接飲んだりしない限り人体への影響はまず無く、また下水道や河川、海域などに放流しても環境に与える負荷は殆ど無い。
活性炭ろ過器とは?
活性炭とは?
炭などをさらに1,000℃近い高温で加熱処理して作られたものが活性炭です。
1グラム当たりの表面積は800~2,000m2に達し、炭より圧倒的な吸着性能を誇ります。
樹木などが加熱されて炭になることを「炭化」、そして炭化物が加熱されて活性炭になることを「賦活(ふかつ)(活性化反応)」といいます。
活性炭ろ過器の効用
水道数には残留塩素が約5ppm含まれています。
塩素を取り除くのが「活性炭ろ過装置」の主な目的です。
塩素だけではなく、金属成分や有機物もここでほとんど排除されます。
純水装置に逆浸透膜(RO膜)が使われる理由
純水については下記のページに詳細が・・・
逆浸透とは?
濃度が違う場合に水は均等になろうとする性質がありますが、これに対して濃度の濃い側の液体に圧力をかけて、水分子を浸透膜からしみ出させ、通常の浸透膜の動きと逆向きの動きをさせます。これが逆浸透です
逆浸透膜は水以外通さない
逆浸透膜は、水は通すが塩分は通さない孔が2ナノメートル以下の膜です。
逆浸透を利用して純水を作っていきます。
逆浸透膜(ぎゃくしんとうまく)とは、ろ過膜の一種であり、水を通しイオンや塩類など水以外の不純物は透過しない性質を持つ膜のこと。孔の大きさは概ね2ナノメートル以下(ナノメートルは1ミリメートルの百万分の一)で限外ろ過膜よりも小さい。英語ではReverse Osmosis Membraneといい、その頭文字をとってRO膜とも呼ばれる。
このページのまとめ
冬になり湿度が下がってくると、蒸気ボイラーを利用する施設も多いと思います。
人間が直接吸い込むわけですから、蒸気ボイラーには純水が使われることが多いです。
ビルメン初心者でも、装置をさわったり、イオン樹脂を再生したりする機会が出てきます。
基本的なことですが、流れを簡単に書いておきます。
- 上水タンク
- 軟水器:軟水器には再生のため塩タンクが付います
- 活性炭ろ過器
- 純水製造装置
- ボイラー
- リボイラー(蒸気発生装置の事、無い場合も多い)
上記のような順番になっていることが多いです。
一度でも理屈さえ理解してしまえば、問題なし、だと思います。
読了、ありがとうございました
また、どこかで・・・