前回は圧力の単位がわかりにくいということで、備忘録としてまとめてみました。
しかし圧力だけではなかった。
電気の単位もわかりにくい(特に周波数の辺り)
ファラド、ヘンリー、ルクス、ルーベン辺りになるとさっぱりです。
またエネルギーの単位もわかりにくいが、それはまた後日に書きたいと思っています
電気の話はよく話題にでます。
仲間内ならともかくオーナー側の人がいる場合に、話についていけないと恥ずかしい。
というわけで(?)「今回は電気の単位についてまとめてみたい、ついでに電気の基礎も」です。
オームの法則ついでに電力も(W) V=I×R
ゆえに電流(I)は I=V/R
記号の意味と単位
V・・・電圧 ボルト V
I・・・電流 アンペア A
R・・・抵抗 オーム Ω(抵抗に関しては色々あります、後述予定)
電力はW W=R×I×I
W=V×R
W=R×Iの2乗(V=I・Rから)
単層100ボルトのコンセント(下の方に)20Aと書いてあれば、100・20=2,000Wまで理論上はつかえるという事です。
そして750Wの電子レンジをタコ足配線で3つ使えば、ブレーカーが落ちる可能性が高いです。
基本的な電気の単位についてまとめてみた
量
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記号
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単位
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綴り
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読み
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電 圧
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E
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V
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Volt
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ボルト
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電 流
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I
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A
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Ampere
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アンペア
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抵 抗
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R
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Ω
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Ohm
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オーム
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電 力
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P
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W
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Watt
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ワット
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周波数
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f
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Hz
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Hertz
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ヘルツ
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静電容量
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F
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F
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Farad
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ファラド
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インダクタンス
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H
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H
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Henry
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ヘンリー
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あと勘違いしやすいのは、明るさの単位である下記の2つです。
単位 | 読み方 | |
照度 | lx | ルクス |
光束 | lm | ルーメン |
確認のために電気の盤についてまとめてみた
配電盤
配電盤とは高圧の電気を受ける設備です
配電盤とは主にビルや工場などの大きな施設で電力会社から送られてくる高圧の電気を受けるための設備です。
配電盤では、発電所から送られてきた高い電圧の電気を、施設内の設備で使用できる電圧に変換し、幹線を通して各場所にある分電盤へと分配しています。
配電盤の構造 キュービクル式(閉鎖型)がほとんどです
配電盤の構造には大きく分けて2つの種類があります。
必要な機器がすべてボックスの中に収められたキュービクル式(閉鎖形)と、機器を鉄製のフレームに取り付ける開放型です。
近年ではキュービクル式が主流になっています。
配電盤には、電気の監視や制御に必要なメーターといった機器や、電気回路の故障や異常が起きたときに流れる電流を遮断する遮断器などの機器が収められています。
いわゆるキュービクルが配電盤です。
分電盤
分電盤とは? 2次側に分岐開閉器 その次にブレーカー等
分電盤はその名前の通り、電気を分ける役割を持っている装置です。
一般家庭であれば、外の電線から引き込んできた電気を各階や部屋ごとに分配しています。
商業施設や工場などであれば、配電盤から幹線を通して送られてきた電気をフロアのコンセントや照明設備、生産設備などに分配しています。
スイッチや安全装置としての分電盤
また分電盤は照明のスイッチの役割や、電気を安全に使用するための安全装置の役割も持っている場合があります。
過度な電流が流れた際に自動的に電気を遮断するブレーカーや、漏電を感知した際にその周辺の電気を止める漏電遮断器などが、分電盤の中に収められている代表的な機器です。
分電盤の構造
分電盤の内部では、外の電線からの引き込み線や配電盤からの幹線を電気が入ってくる一次側に配置し、その先の二次側に分岐開閉器が配置されています。
前述のブレーカーや漏電遮断器、照明のスイッチなどのスイッチユニットは、基本的に分岐開閉器の次に配置されています
制御盤
制御盤とはポンプ、モーターなどの電動機やヒータ類の運転、異常時の保護を目的としたものです。
扱う電圧は主に低圧の400V級、200V級、100V級です。
制御にはミニチュアリレーを組み合わせたものやPLC(シーケンサー)などを使用します。
大きさは配電盤並みの大きいものから一見分電盤の様な壁掛けタイプの小さなものまで様々で、中身を見ないと制御盤とは解らないものもあります。
扉面にスイッチ、ランプや電流計などがあるのが一般的です。
電灯盤
電灯盤とは、照明やコンセントなどの電源仕様の盤。
主に単相200Vや100V
言葉の定義としては、分電盤と同様の意味でも用いられる。
電灯(Light)をあらわすLが大抵ついています。
例 B2L盤
動力盤
工場などで使われている、3相のポンプやファンなどのモーター駆動や電灯の電源を供給する盤の事です。
3相200Vがほとんどです、
ほとんどの動力盤には、モーターをあらわすMがついています。
例 B2M盤
トランス盤とは?
トランス盤とは変圧器をいれる箱のことです、箱なのに盤とはややこしいですね
スコット トランスとは?
3相交流から大容量単相交流を、効率よく取り出すための特殊結線トランスのことです。
スコット トランスを用いると、3相交流を2相交流(単相×2)に変換することが出来ます。
「スコット」という名はこのトランスを発明した研究者の名前です。
周波数
周波数とは?
交流・電波・光などが一秒間に何回向きを変えるかという数、つまり振動数。単位はヘルツ。
周波数は、波動や振動の周期の逆数であり、単位は「ヘルツ」(Hz) が使われる。かつては、「サイクル毎秒」(c/s、略して「サイクル」)が使われていたが、1970年代にヘルツに切り替えられた(日本における切替えは1972年7月1日に施行された改正計量法による)。
振動数も英語では frequency でありほぼ同義であるが、「周波数」が主に電気・電波に関する工学用語として用いられるのに対し、「振動数」は力学的運動など自然科学(理学)における物理現象に用いられることがある。
インバーターとコンバーター
コンバータ 電力を変換するもの一般のよび方
交流を直流に変換するものが、一般的にはコンバーターと呼ばれています。
コンバータには、交流-交流の直接変換器(サイクロコンバータ)や回路の構成の名前(マトリクスコンバータ)なんかも含まれたりします(こいつらは「コンバータ=AC->DC」からは外れてますね)
※交流から直流に変換するのは整流器(Rectifier)なんだけど、なぜか国内ではコンバータと呼ばれることが多いらしいです
インバーター 定義 直流から交流に変換するもの
交流から直流に変換する整流器の逆動作です。
任意の周波数の交流に変換することができます。
インバーター 任意の周波数に変換する方法
工場や家庭の電源は一般に交流ですが、その電圧と周波数は一定であり、例えば200V/60Hzや100V/60Hz等のように各国で統一されています。
交流の周波数と電圧の大きさを、交流のまま自在に変えることは容易ではありません。そこでインバーター使って、交流を一旦直流に変換(コンバーター回路)した後、再度交流に変換(インバーター回路)することで、周波数と電圧の大きさを自在に変えています。
直流を交流に変換する装置を学術的に「インバーター」(逆変換器)と言いますが、電圧や周波数を自在に作り出すメカニズムの主役が「インバーター回路」であるため、「コンバーター回路」「コンデンサー」「インバーター回路」を合わせた装置そのものが日本ではインバーターと命名されています。
インバーターでのモーターの制御
三相交流誘導モーターの回転速度は、「極数」に反比例し、「周波数」にほぼ比例します。
「極数」は、モーターの原理から決まる固有の値で「2、4、6」のように2の倍数になり連続した値ではないため、回転速度を無段階で連続的に変えることはできません。
一方、「周波数」はモーターに加える電気の特性であるため、それを外部で変えてモーターに与えることができれば、モーターの回転速度を連続的かつ自在に変えられます。
インバーターは周波数を自在に変更できるため、「周波数」の制御だけでモーターの「回転速度」を自在に制御でき、モーターの可変速装置として最適です。
VWF制御
「回転速度」の制御は「周波数」の制御のみで可能です。
しかし電圧を下げずに周波数のみを下げるとモーターの交流抵抗が下がり、電流が大量に流れモーターが焼損してしまいます。
モーターの焼損を防ぐには、「周波数」だけでなく「電圧」も同時に変える必要があります。
モーター駆動用のインバーターが「周波数」と「電圧」を同時に変えるところから、V VV Fインバーターと呼ばれています。
少しでもお役にたてれば幸いです。